安田社長の”もったいない”道

東日本大震災 震災の爪痕1

05.25

 

2011年3月11日に起きた東日本大震災は、日本中を震撼させた。被災家屋を映像で目にし、曳家など建築の特殊工事を専門とする職人として復旧に力を尽くしたいと思い、2ヶ月後の5月に意を決して千葉県の浦安市に入った。被災地に立ち、まず驚いた。目の前にある住宅は全て傾いており、道路も電柱もねじれ曲がっている。道路も所々陥没して損傷は激しく、まともに通行も出来ない。破壊的な街の状況を見て、東京湾に臨む浦安の地で直ちに復興支援の仕事をしようと腹を固めた。家の傾きやゆがみ、沈下を修正するレベル調整工事は、曳家という仕事を担う人たちが施工するが、専門的な建築の職種の為、国内でも行っている会社はそれほど多くはないという。弊社は日本曳家協会に加盟していることから、家主などの希望を同協会から聞き、工事を請け負った。傾いた家の中は、大半が意外なほど傷んでいなかった。壁に亀裂は一つも無く、建具の建付けも良く、床と天井は全くの無傷。ただ一つ、家が傾いているという事だけが異常をしめしていた。家の傾きはとても大きく、35センチも沈下して斜めになっている家もあった。中に入ると平衡感覚がおかしくなり、車酔いの様な気分になる。よく震災から2か月余り傾いたままで暮らしていたのかと、あらためて被災の現実に感じ入った。浦安市は高級住宅地が広がり、東京ディズニーランドもある。だが広い範囲で液状化が見られ、被害も深刻だった。人気のある町で暮らすことの代償は、大きなものになってしまったようだ。

 

平成13年に岐阜新聞の「素描」でコラムを連載さしていただいたので掲載していきます。

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