安田社長の”もったいない”道

曳家の仕事1

06.09

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職種の多い建築業の中でも、弊社が担う曳家という仕事は業者数が極めて少ないという。

私はそういう業種を専門として創業した会社の5代目で、2006年に代表となった。

幼い頃から「家曳きやの跡取り」と言われ、会社を継ぐことが使命と信じていた。

地元の工業高校の建築科で学び、5年の修業を経て入社した。父は私が17歳の時に他界し、

そのごは母が会社の代表となり経営と子育てをしてきた。会社を引き継ぐ際

前身の「鳶安田組」から長く続く曳家という事業を絶やしてはいけないという思いから曳家の仕事に力を注いできた。

しかし当時は古い建物を持ち上げて移動させるという曳家で家を再生する工事は敬遠されていた。

古い物は悪く、新しいものは良いという社会の風潮があり、曳家は広まらなかった。

「曳家をしたり、家を高い位置に揚げる嵩上げをすれば、建物自体の強度が低くなって家が壊れてしまう」と、

工事を見たことが無い方々などが語る言葉で職務への信頼が疑われるようなこともあった。

ところが今では屋根、外壁、床にいたるまで何一つ傷をつけずに移動することが出来る様になったこともあり、

曳家という技術も良く知られるようになった。それは家を壊すという考えに加え、

移動させるという新たな選択肢を家主にもたらした。さらに建物に対して「壊すのはもったいない」

という思いを抱く方々が増えてきており、最近では古民家の再生に曳家の技術が応用され、

快適な暮らしを多くの方が楽しまれている。

 

平成13年に岐阜新聞の「素描」でコラムを連載さしていただいたので掲載していきます。

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